こんにちは！ マイミシン 1級縫製機械整備士の早乙女です
久々に修理ブログを更新します。
今回はSINGER足踏みミシン/モデル15Kの修理・オーバーホールを行います。

ジャノメコンピューミシン、メモリア5002のオーバーホールの際、なかり古いシンガーミシンを保有、祖母によく洋服を作ってくれた思い出の品とのことで来店されました。

デザインからモデルを調べますと戦前1930年位・・英国製造の足踏みミシン/モデル15Kと思われます。
ミシン本体は全体的に蓄積した汚れにより燻んで見えます。

全体のコンデション

ミシン左側面板部

ミシン右側部はずみ車側

針板付近

布送り量機構

下軸左側釜付近

下軸右側送り機構
全体的に錆や汚れはありますが個々の機構部、ネジ類は油分切れによる固着は無いようです。

分解後の画像です。

面板部です。上糸調子部を分解しクリーニングします。

釜機構、下糸巻き機構など錆の強い箇所は念入りにクリーニングします。

外装部は洗浄剤を何度も塗るたび汚れが浮き出るため、塗装に傷みを考慮し、完全には落とさずある程度でやめました。

洗浄後の画像です。浮き上がった錆を全てクリーニングしました。

クリーニング後の針棒付近・・グリスアップ/注油します。

布送り量機構・・グリスアップ/注油します。

下軸右側送り機構・・グリスアップ/注油します。

点検整備後、試縫いテストを行いますが足踏みミシン仕様のため台座（発砲材）に仮固定します。

試縫いテスト用のモータードライブを仮固定します。

下糸巻きテスト中の画像・・・ボビン手前のハサミ型のレバーが左右に動き、ボビンに左右均一に糸が巻ける仕組みです。

試縫い・・・ボビンケースの張力をかなり強くしないと糸調子が合いませんでしたが
縫い目長さを細かめから粗目まで問題無く縫えました。

内/外装部の汚れ、錆の除去、針板の陥没修正/針傷研磨、上糸糸取りバネテンション調整、注油/グリスアップ、各部点検、試縫い済み。　※交換部品（ボビンケーズ、下糸巻きゴム輪）
クリーニングにはかなりの時間がかかりましたが正常に縫うことができました。
古いミシンは保管環境でコンディションに違いがありますがご自宅に保有されている方は是非、オーバーホールをおすすめします。

ご使用されているミシンが調子悪く、お困りになった時は、迷わず当社修理窓口にお気軽にご相談ください！

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