こんにちは！ マイミシン 1級縫製機械整備士の早乙女です。
今回はエルナミシン・エアーエレクロニックSUの修理・オーバーホールを行います。

このエアーエレクロニックＳＵはエルナの小型系ミシンであるLotus（ロータス）や　Stella（ステラ）に対し、金属製釜、エアー式フットコントローラーなどといった、より良い装備を取り入れたレギュラーサイスのモデルです。

お客様より、使用していたら急に停止し、針が上下に動かなくなり、はずみ車も回らないとの不具合相談をいただき、当店（東京都/杉並区）にお持ち込みされました。
まずは外装部を外し、クリーニングします。

中釜を外した釜部分の状態です。蓄積したホコリ、汚れなどが付着しておりました。

上部です。ホコリ、汚れ、錆が多く、油分がかなり少ない状態でした。

下軸部です。油分は少ないようですがこちらも良好な状態です。

右側です。通常はモーターベルトで駆動する仕組みですが、エルナsuの駆動方式はモーター動力をゴム輪に伝え、ゴム輪がはずみ車に接地することではずみ車を回す仕組みです。
ゴム輪の経年劣化が進んでいるように見受けられる為、正常に縫えるのか不明です。

　
全て外装を分解してクリーニングします。

クリーニング中の画像です。　
痛みが酷い場合にはクリーニング剤を使用すると黒い液が出てきますが、今回は茶系色なので予想よりは痛みは少ないようです。

今回、動きが悪くなった原因はこの部分です。
針棒を振複する軸固が固着してしまったことにより、針が左右に振れない状態でした。
針棒ユニットを分解し、固着部を研磨/クリーニングします。

駆動ゴム輪部分です。弾力性も無く、劣化が見受けられました。

全てクリーニング完了。

上部　

下部

　
釜部及び各部注油・グリスアップします。

張力調整後は糸調子も良く綺麗に縫えます。

各部点検、試縫いを行い作業完了です。
エルナミシンは生産終了後25年以上経過します。
国内でも愛用者が多く、当店では年間数十件の修理、オーバーホールを行っています。

ご使用されているミシンが調子悪く、お困りになった時は、迷わず当社修理窓口にお気軽にご相談ください！

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