こんにちは！ マイミシン 1級縫製機械整備士の早乙女です
今回はベビーロック糸取物語imagine（イマジン）BL-E1ATの修理・オーバーホールを行います。

実店舗からの修理品
エアースルーレバーが折れてルーパー側の糸通しができない、オーバーホール希望とのことで送られてきました。
imagine（イマジン）BL-E1ATは1997年から発売された糸調子を自動化するために開発された「自動糸調子（ジャストフィット）」
機能を搭載した当時の最上級モデルでした。

エアーレバーを押してルーパー側の糸を通す仕組みですが経年劣化によりレバーが折れている状況。

外装部は油分の付着によりベタ付きがあり
まずは外装部を外しクリーニングします。

底部

送り機構部
切りずくも少なく見えますが年数の経過により油分不足が無い状況。

針棒固定部です。
針が上下に動く土台部を固定ピンが振動により固定ネジが緩んだことが考えられます。
このまま使用すると土台から針棒が外れ、大変危険な状況でした。

全ての外装部を外し洗浄します。

洗浄中のルーパー駆動機構です。
油分不足で使用されていたため金属同士の摩擦により黒い液が出ていました。

要交換箇所としてはエアースルーレバー、差動レバー、モーターベルト、エアーポンプのピストンキャップの4点を交換します。　左側が新品、右側側が劣化品です。

送り駆動部の画像です。　各部品が分解し酸化グリスを除去します。

クリーニング後各部、グリスアップします。

針棒部の固定軸です。　
振動により固定ネジが緩まないよう固定面を平に研磨します。

クリーニング後の外装部

各試縫いテストします。
各縫い模様で糸調子が合わない場合にはテンション調整します。

プロード地1枚、2枚重ね、ニット地などで2本針4本糸、1本針3本糸、巻き縫いなど試縫い見本を作り

全て完了しました。　
25年位経過している自動糸調子仕様のモデルでしたが糸調子につきましては全く狂いなく、日本製の品質の高さを感じられた1台でした。
これからも調子良くミシンをご使用するためにも5年位に1度、オーバーホールをおすすめします。

ご使用されているミシンが調子悪く、お困りになった時は、迷わず当社修理窓口にお気軽にご相談ください！

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